平成二十三年四月・第十二号
姉小路界隈が変わりました

1.街なみ環境整備事業のご報告

姉小路通と富小路通との角地に位置する井山邸において、姉小路通側の改修が先日竣工致しました。井山家は関が原の合戦が終わった寛永三年(1630)よりこの地に居を構えており、現在の屋敷も築140年余で景観的にみても改修効果の大きい建物です。2009年度には富小路通側の30mを改修され、2010年度に姉小路通側の22mを街なみ環境整備事業で整備されました。

写真
▲ 竣工した井山邸の姉小路側

従来(戦前)からの井山家の建物にふさわしい仕上げについて、デザインの検討が定例会等で何回も重ねられ、上質な杉焼き板と銅材を多用する案を採用することとなりました。また井山家にとって姉小路通側は側面となりますが、通りの美観を向上させる意味あいも含めて、東端ガレージの美装化にもご協力戴きました。今までの13件の街なみ環境整備事業のうちでは最大規模となり、多額な費用をご負担いただきましたが、お陰さまで周辺環境までも品格が高まりました。皆様にご報告すると同時に井山家に対しお礼申し上げます。

2.路側帯拡幅記念行事のご報告

皆様は既にお気づきのことと存じますが、去る2月21日より姉小路通の御幸町通と柳馬場通の間の路面表示(マーキング)が変更されています。この事業は「歩くまち・京都」の具体化事例の一つとして施行され、以下の2点を目的としています。

写真
▲ 電気自動車と姉小路通の行灯
  1. 車道幅員を従来の3.8mから3.0mへと縮小することによる自動車速度の低減及び通過抑制。
  2. 路側帯拡幅による、安全でゆったりとした歩行空間確保。

この拡幅工事を記念して、3月27日に環境に優しいと話題を集めている「電気自動車:日産リーフ(京都市役所提供)と電気スクーター(松井保自転車商会提供)」の試乗会を行いました。ご参加いただいた方々と関係者のお骨折りに感謝致します。

3.「姉小路にある小さな沖縄」オープンのご紹介

先日、街なみ環境整備事業による改修を終えた岩野邸で、元の牛乳店の冷蔵庫周辺をリニューアルした新しいお店が3月17日にオープン致しました。沖縄純正の良さを知ってもらいたいと、沖縄の伝統工芸品や特産物の雑貨及びアパレルを取り扱う「4628琉(よろずや・りゅう)」さんです。

ご店主の岡田慎太郎さんご夫妻は、すべての方に京町家の良さや昔ながらの京都を味わってもらいたいと、町家の多く並ぶ風情と趣きのある京都らしい通りとして、姉小路通りのこの地を選択されました。内装の漆喰も自分たちで仕上げる器用さとハイセンスな感性をお持ちで、姉小路の昔ながらの人情味あるご近所づきあいのできる素晴らしさもよくご理解いただいております。お店が末永く繁盛し、姉小路通の更なる品格向上につながる様に私共も応援させて頂くつもりです。

姉小路界隈の2010年度は躍進の年でした。街なみ環境整備事業では3件もの整備が実現し、また姉小路通も路側帯の拡幅により通過交通の抑制が期待できることとなりました。これらの成果は毎月の定例会における界隈の皆様と行政関係者、専門家との綿密な話し合いによる所が大きいと自負しております。今後もこういった活動等について、毎月話し合いを行いたいと考えております。今月も19日(火曜日)の19時より中京酒販組合の3階会議室にて定例会を開催致します。界隈の皆様のご参加をお待ちしております。(事務局長:谷口親平)