平成二十四年二月号
界隈諸活動のご報告

1. 街なみ環境整備事業のご報告

街なみ環境整備事業は、国土交通省と京都市からの補助金を受けて、建物の外観を整備(美装化)する事業です。平成16年度に、事業開始。予定年数10年のうち丸8年が、既に経過しつつあります。事のきっかけは、「姉小路界隈地区建築協定が優れた内容である」と、国から大きく評価されたことで、京都市(府下も含む)で初めて採択された、栄誉ある事業であります。

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▲ 窓枠の復元を目指す速水邸

今までに、14件の整備が完了。また、15件目の青木稔享家に続いて、速水様も、16件目としてご協力戴けることになりました。速水邸(富小路通三条上ル)も、造りの確かな京町家で、今回は、表の2階部分の窓を元況に復元する工事も含めて、美装化することになりました。間もなく整備工事が開始される青木邸とは、お向かい同士となります。今年度は、富小路通が美しく再生されますので、是非御注目下さいませ。

2. LED(発光ダイオード)を利用した姉小路行灯の、公道での試作点灯に成功

環境面から省資源照明として注目されている「LED(発光ダイオード)」を利用した行灯の、公道での試作点灯に成功しました。平成9年夏、ご町内の福島ゆりこさん宅から、5〜60年前に地蔵盆で軒先に吊り下げていたという行灯が見つかり、それを再生して「姉小路行灯会」が復活しました。以来、年3〜4回の点灯が定着。この様式が、京都市の花灯路の先駆けになったともいわれます。しかし、従来のローソク型は火災事故の懸念があり、大晦日から新年の点灯時には季節風による転倒の恐れもあって、管理に多大な神経を要していたのが実情。そこで、こうした課題の解決にむけて、試作への挑戦が始まりました。

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▲ このうち4基がLEDハイテク行灯

ローソクの様な暖かい色合いと、豊かな光量 ─ ゆらゆらと燈る自然な揺らぎ加減を演出する為、マイコン内臓で電池式の、ハイテク行灯の試作を繰り返し、ようやく量産化の見通しがつきました。実は、右の写真のうち4基がハイテク行灯です。大晦日に公道で試験点灯しつつ、新年を迎えられましたことを、片山滋氏のお骨折りに感謝申し上げつつ、ここにご報告いたします。

3.地区計画制度実現にむけての進捗と、月例会議報告

姉小路界隈の一部地区では、落ち着いた町並みと京都らしい品格を維持する為、平成11年7月より建築協定を締結し、風俗店等を規制しています。しかし、建築協定地区外では、木屋町通等の賑わいの外延化、商業施設立地の活発化等により、アダルトショップやゲームセンター等の、姉小路界隈にふさわしくない風俗店の進出が懸念されています。その為、姉小路通を軸として、寺町通・三条通・烏丸通・御池通に囲まれた内部地区においても、「地区計画制度」の導入準備を進めています。

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▲ 地区計画制度検討の定期会合の様子

昨秋より地区計画(素案)に関するアンケート(1211戸に配布)を実施し、うち221戸から得られた回答については、1月17日に開催された定期会合に於いて中間結果を報告致しました。また、京都市立芸術大学の藤本英子先生からは、地区計画の3方針「(1)静かで落ち着いた住環境を守る。 (2)お互いに協力しながら暮らしと文化を継承する。 (3)気遣いと配慮を共有し、安全に安心して住み続けられる環境を守る。」に沿って実施した、「姉小路界隈の現状と将来」に関する調査報告を説明頂きました。

毎度のことですが、姉小路界隈まちづくり協議会によるこの「地区計画制度」実現への取組に対して、12ブロック各ご町内から定期会合にご参加戴いている世話役様のお骨折りには、感謝の言葉もございません。次回の月例定期会合は、2月21日(毎月第三火曜日19時より、中京酒販売組合の1階会議室にて)です。藤本先生の調査報告と地権者からのアンケート結果を基に、姉小路界隈まちづくりビジョンの実現にむけてのワークショップを準備しておりますので、皆様方の御参加を、是非是非、お待ちしております。

(事務局長:谷口親平)