平成二十三年三月・第十一号
姉小路通界隈活動のご報告

1.街なみ環境整備事業のご報告

3月2日、街なみ環境整備事業の13件目の事例として岩野邸が竣工致しました。施主の岩野文子様は、もともとは既存シャッターの取替えと塗装の色彩変更程度のみを考えておられたようです。しかし熟慮された結果、構造部材の補強により耐震性能も高め、居住環境向上の為に内部工事を行い、併せて外側の景観整備にもご協力戴くことを決心されました。今までの「街なみ環境整備事業実績」のうち、唯一「大正ロマン風」のデザインが市に認められ、外装工事に「街なみ環境整備事業制度」による補助も適用されています。

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▲ 岩野文子さんと棟梁の江口佐太郎氏

外観色彩については、毎月第三火曜日に定期開催している「姉小路界隈景観委員会」のメンバーである京都市立芸術大学の藤本英子先生の指導を得て最終決定致しました。また西側に設けられた採光用小窓は、棟梁の江口佐太郎氏により黒竹を使用して凝った仕上げとなっています。そして新しく創られた間口部分には、姉小路界隈の雰囲気にふさわしい利用を期待しております。施主の岩野文子様及び関係者の、慎重で長期間に亘るお骨折りに敬意を表します。

2.姉小路通りの色彩調査実施のご報告

2月27日、京都市立芸術大学の藤本英子先生と修士研究生がおいで下さり、姉小路通において色彩調査を実施致しました。この調査は「京都市景観・まちづくりセンター」から支援を頂いており、来る3月19日には公開市民講座で中間発表も予定されています。

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▲ 色見本帳との比較による色彩調査

今回は「街なみ環境整備事業」を実施済みの建物の調査に重点を置き、近隣の既存建物との色彩調和のバランスを定量的に比較することに力点をおいています。また併せて、新しくオープンした店舗なども色彩調査しました。

こうした成果が今後の姉小路界隈での建築物の色彩サンプルになれることを目指し、ご町内でも展示したいと考えております。

3.路側帯拡幅工事記念行事のご案内

2月21日、姉小路通の御幸町通~柳馬場通間に於いて、路面表示(マーキング)の工事が完了致しました。路側帯を拡幅する事による快適な歩行空間の確保と同時に、車道幅員の狭小化(変更前3.8m→変更後3.0m)により、自動車速度の低減及び通過抑制を図ることを目的としています。

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▲ 路面表示(マーキング)工事の様子

このような目的で路側帯を拡幅するというのは前例がなく、京都市では初の事例となりました。今後は我々地域住民自らのマナーアップが期待されるところです。

この拡幅工事を記念して来る3月27日には、環境に優しいと話題を集めている電気自動車「日産リーフ」と「電気スクーター」の試乗会を兼ねた記念行事を準備しています。一周およそ1km、5分程度の運転体験ができますので、界隈及び周辺からのご来場をお待ちしております。

いよいよ姉小路界隈が大きく変わろうとしています。今号で紹介した路側帯の拡幅により通過交通の抑制が図れれば、住みごこちのよい界隈づくりを目指してきた我々にとっては大きな一歩となることは間違いありません。ご尽力いただいた、京都市役所都市計画局歩くまち京都推進室の金子宣幸氏には多大なる感謝を致します。今後もこういった活動についての話し合いを、毎月の定例会で行いたいと思います。今月は15日(火曜日)の19時より中京酒販組合の3階会議室にて開催致しますので、皆様の参加をお待ちしております。(事務局長:谷口親平)