平成二十四年三月号
界隈活動が充実してきました

1. 街なみ環境整備事業進捗と「景観シミュレーションシステム」のご案内

街なみ環境整備事業は、国土交通省と京都市からの補助金を受けて、建物の外観を整備(美装化)する事業です。平成16年度に、事業開始。現在は、富小路通三条上る福長町にて、15件目の青木邸と16件目の速水邸の美装化工事が進行中です。この度、姉小路界隈の街なみの変化や改良計画を比較検討するためのツールとして、「景観シミュレーションシステム」が、京都市から当会に貸与されました。

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▲ 基準線とパース線を合わす操作状況

このシステムを利用すると、自分で撮影した建物のデジタル写真をパソコンに取り込んで、その画像を画面の表示ポイントにクリックする操作を繰り返すうちに、3D表現に必要な3次元座標が固定されていきます。その前処理が済めば、後は自分の好みのデザイン形状・材質・色彩のシミュレーションが可能となります。

ゲーム感覚で自分の家をデザインしたり、お隣さんとの連続性を3Dで任意の角度から眺められる時代になってきました。ご興味がおありの方は、事務局までご連絡下さい。

2. 全国女性建築士連絡協議会御一行様姉小路へ来訪

2月17・18両日、全国から500人余の女性建築士が京のまちに集まり、全国大会を開催しました。女性の視点から、景観・健康住宅・建築物の再利用・高齢化社会・子どもと住環境等を考えるシンポジウムで、大被害のあった東北からも、多数の参加者がありました。2日目には、12グループに分かれてのフィールドワークがあり、うち1グループが、亀末さんからスタートして堺町画廊を見学。まちなみ模型を見ながら質疑応答し、京四季さんで昼食を頂くという、姉小路コースを堪能されました。

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▲ 全国女性建築士連絡協議会御一行様

この企画を進めるにあたっては、京都府建築士会事務局と何度も下打合せを行い、資料作成の準備を進めてきました。こうした骨折りの甲斐もあって、京都大学高田光雄先生や参加者からのお礼のメッセージが、事務局へ寄せられています。しかし、姉小路界隈のまちづくりがここまで続けてこれたのも、内外の多くの方々の御支援があったからこそと、逆にこちらが感謝しております。

福島から参加された5名の方々が元気を発揮され、本当の暖かい春が一日も早く戻るようにご活躍されることを、願っています。

3.地区計画制度実現にむけてのワークショップを開催しました

姉小路通を軸とした烏丸通〜寺町通と三条通〜御池通の内側地区に於いて、界隈に相応しくない風俗店の進出を阻止する為の地区計画制度の実現を目指しています。この計画が「(1)静かで落ち着いた住環境を守る。(2)お互いに協力しながら、暮らしと文化を継承する。(3)気遣いと配慮を共有し、安全に安心して住み続けられる環境を守る。」を3方針とすることも、皆様ご承知と存じます。

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▲ ワークショップの様子

2月21日の会合では、この3方針の具体化に向けてのアクションイメージを共有する為の資料作りの一貫として、京都市景観・まちづくりセンターの応援を得て、ワークショップを開催しました。

先般に実施したアンケートの回答結果一覧表や、京都市立芸大の藤本英子先生の調査資料を参考にしつつ、交通問題への関心も高かったので、京都市歩くまち推進室にもご列席頂きました。

ご町内参加者を3グループに分け、フリートーキングを続けた結果、更に沢山の自由意見を頂戴できました。

いよいよ「地区計画制度」実現への取組が本格化し、活動も充実してまいりましたが、定例会合にご参加戴いております関係機関及び12ブロック各ご町内の世話役様の力添え無くしては、ここまで辿り着けなかったと思っております。次回の会合は、3月21日(今月に限り水曜日)の19時より、中京酒販売組合1階会議室で行います。先日のワークショップの結果と、KARTH(関西木造住文化研究会)の「姉小路界隈の防災文化遺産を活かした安心・安全まちづくり」調査について、ご報告いただく予定です。皆様方の御参加を、お待ちしております。

(事務局長:谷口親平)