「総会及び講演会開催」
■日時
平成11年6月13日(日)
去る6月13日,柳池中学校において「姉小路界隈を考える会」の第4回総会,及び講演会を開催いたしました。総会では平成10年度の活動内容と会計の報告,及び平成11年度の活動計画等が説明され,会員の方々のご承認をいただくことが出来ました。講演会では京都大学名誉教授・関西福祉大学教授の三村浩史先生をお招きし,「発見・創造のまちづくり」と題してお話しいただきました。三村先生は会発足の記念講演以来,イベント等に御参加いただくなど,会の顧問として折に触れご助言いただいております。以下はその抜粋です。
「姉小路界隈を考える会」も4年目を迎えることとなりましたが,地域の歴史や文化,特色ある生業や豊かな人材といった資源を活用しながら創造的な活動を展開されている様子を興味深く拝見してまいりました。
この間,京都市も様々な変化がありました。町家を残していこうという動きも認知され,「住宅と企業が共生するまち」を都心のこれからのまちづくりの方向とする,「職住共存地区ガイドプラン」が昨年,発表されました。また,東西本願寺や金閣・銀閣などが世界遺産の認定を受け,京都のまちなかはその周辺環境として緩やかな保護が求められています。今後,高齢化が進むなか,2020年には市の人口の3分の1が65才以上のお年寄りが占め,20才以下の若者は今の半分以下になることが予想されます。全体の人口も減少傾向にありますし,経済活動も低成長の時代に入ったと言わざるを得ません。
そんななか,私たちは京都のまちなかに住むということをどのように考えたらよいのでしょうか。京都のまちなかは戦災にもあわず,長い間首都であった歴史を持っており,そのなかでいろんな要素が複雑に絡み合いながら人々が暮らしてきました。世界遺産の周辺環境としての緩衝地帯などではなく,生きている歴史的遺産であるわけです。まちは本来,変わっていくものです。この「遺産(ヘリテージ)」という言葉を,「将来にわたって動きのあるまちづくりのノウハウを次の世代に伝えるため」に,訳しなおして考えていくべきだと思うのです。
その際に三つのポイントがあろうかと思います。一つ目は「価値発見」。この界隈は京都らしい味わいのある素晴らしいまちです。御池と三条にはさまれ,そうした京都らしさを繋ぐ責任のあるまちでもあります。そうした歴史や文化,豊富な人材をまちづくりに最大限に活用しながら継承していくことは,とても大事な話です。
二つ目として,「交流」ということ。このまちは,昔から職住が響きあい育みあって栄えてきたまちです。顔のある企業があって,住んでいる人々にもそれぞれに顔があり,そうした特色のある企業や人が集まって人間関係を形作っている。そういうつながりがあるということは,新たに住みつく人達を取り込んでいく力があるということです。そういう力をいつも維持しているということは,次の世代に対しても重要なことではないかと思います。
三番目として「創造」ということ。2020年には今の姉小路の町家や木造の住宅の半分以上は建て替わってしまうことでしょう。むしろ変化するのは当然なのです。しかしそれをどういうふうに変えるかということが問題になってくる。そこである程度共同のルールというものをつくって,そのなかで最大限の個別の創作を認めていく,個と集団の調和ということを,このなかで根付かせていかねばならないと思うのです。それが本当の創造というもので,京都のまちは野放図な若者が暴れ狂うような創造ではなくて,たしなみがあって,そのなかで一人ひとりが,個性や光るものをもっているという創造こそが,相応しいあり方だと思うのです。
そういう意味で,この姉小路はそのモデル地区に相応しいところだと思っています。これを根付かし次の世代に渡すために,会のさらなる展開を期待しています。(詳しい内容は報告書16号に掲載予定)
この後、石本智子さんにインストラクターになっていただきワークショップ「花と緑でもてなす姉小路界隈」を開催しました。
第4回総会と講演会 記念講演をいただいた
三村浩史先生会場は日本最古の柳池中学校です インストラクター 石本智子さん 姉小路界隈を手作りの花と緑でもてなします