京の街角 姉小路界隈ヨリ 35号

京都市長  門川 大作氏 近影

巻頭言

「通りの復権」に向けた確かな歩み

常に〝もう一歩〟と挑戦を続けておられる皆様に、私は、本当に頭の下がる思いを致しております…

京都市長 門川 大作   

百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)に一歩を進む」。長い竿の先の如く高い境地に至っても、なお気概を持ってその先を目指すことを意味する禅語ですが、まさにこの言葉の表すことを実践しておられるのが「姉小路界隈を考える会」の皆様です。

「姉小路界隈町式目(平成版)」の策定や建築協定の締結、国の「街なみ環境整備事業」を活用した多くの京町家の再生など、これまでに積み重ねられた数々の素晴らしい御実績。それらに加え、貴会が二十周年を迎えられた昨年からは、本市の市街地景観整備条例に基づく「地域景観づくり協議会制度」の認定地域として、地域内で建築や営業を行われる方々と活発に意見を交わしていただいています。さらには、京都文化博物館との連携による界隈の歴史と文化再発見のお取り組み…。まちの魅力向上のため、常に〝もう一歩〟〝もう一歩〟と挑戦を続けておられる皆様に、私は、本当に頭の下がる思いを致しております。

本市が進める〝人が主役の歩いて楽しいまちづくり〟にも、多大の御貢献をいただいています。昨年は、四条通の歩道拡幅工事が完了し、三条通でも信号機を撤去するなど、「歩くまち・京都」の実現に向けて大きく前進する一年となりましたが、姉小路界隈においても、「京まちなかを歩く日」での様々な企画や自転車マナーを考える教室の開催などにより、「通りの復権」に向けた確かな歩みを、力強く進めていただいているところです。

まちづくりに尽力されている 皆様の貢献による嬉しい成果

また、すっかり京都の夏の風物詩となりました行灯会には毎年お招きいただき、行灯の優しい明かりによって引き立てられた情趣あふれる街並みを、多くの市民の皆様と共に楽しんでいます。

手づくりの六百基の行灯が立ち並ぶ中、中学生の皆さんのブラスバンドの演奏や幼稚園児の皆さんの盆踊りに触れる度、この界隈の魅力を未来に引き継がれる世代もしっかりと育っていると感じ、誠に心強く思っております。

京都は昨年、アメリカの有力旅行誌で二年連続世界一の観光人気都市に選ばれました。国内外から、これまで以上に多くのお客様にお越しいただいています。また、「京都に住みたい」「京都で子育てしたい」というお声もよくお聞きするようになり、この一年では約三千七百七十人の転入超過となりました。これらの嬉しい成果には、お住まいの方にも訪れる方にも、魅力あふれるまちづくりに日々尽力しておられる皆様の御貢献が大きいことは、言うまでもありません。

去る二月七日の市長選で、多くの皆様の御支援を頂戴し、三たび目の市政運営をお任せいただきました。今後も「地域力」、そして「人間力」豊かな貴会の皆様のお力添えをいただきながら、市民の皆様と共に汗して、輝かしい京都の未来を切り拓いてまいります。皆様の変わらぬ御支援・御協力を、お願い申し上げます。

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結びに、姉小路界隈のますますの発展、並びに貴会の皆様の御健勝と御多幸を、心から祈念いたします。

行灯会でのブラスバンド演奏